週末グラミー賞よりも注目したい経済イベントのまとめ

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週末グラミー賞よりも注目したい経済イベントのまとめ

マドンナが56歳にして未だに多くの人を魅了したり、サム・スミスが四つも受賞するなど(正直私はほもっと他に受賞すべきアーティストや歌がいくらでもあると思うのですが。彼のStay with meですらイマイチ!)グラミー賞授賞式は大いに盛り上がりを見せました。
またオバマ大統領は賞の途中で演説を行い、レイプやDVに関する彼の言葉はどの賞やドレスよりも素晴らしいものとなりました。

ところでグラミー賞より重要なニュースといえばやはり先日発表されたアメリカの非農業部門雇用者数(NFP)でしょう。
1月は予想値の23.6万人を大幅に上回る25.7万人の増加となりました。過去4ヶ月、アメリカ経済は予想を上回る新規雇用を達成し続けています。

カナダでもまた12月の雇用データは好調で、35.4万人の新規雇用があったと見込まれます。
予想されていた4.7万人のリバウンドよりよほど改善され、6.7%に増加すると考えられていた失業率は6.6%のままにとどまりました。

こうしてUSA/CADは双方に上昇圧力がかかった結果、FXチャート上での勝者は決まらず、明けて月曜日は横ばい状態となっています。

ヨーロッパ事情

ユーロ圏離脱も時間の問題

ギリシャでは先週ECBとの話し合いで苦境に立たされたアレクシス・ツィプラス氏が財政援助の延長についていかなる提案も受け付けない旨を表明しました。
氏は財政援助に当然含まれるであろうこれ以上の緊縮財政に縛られたくないようです。
その代わりギリシャの新リーダーは6月の間まで、支払いを完了するための財政の橋渡しができる機会を模索しています。この間に債務者となんとか前向きな交渉を結実させたかったのですが、残念ながら先週の時点でいかなる変更も拒まれています。

ほとんどの場合、国家は資本市場で短期の借り入れを行い急な財政ニーズを賄うことができますが、ギリシャは財政援助を受け入れる際にこれ以上債務が膨らまないようにとの意図からこれを禁止されているため不可能です。
Financial Timesによると、解決策としては「並行通貨」を用いてその地方のみで償還可能な地方債を発行するやり方があります。
例えばあなたに架空の通貨であるAを使って債券を発行するとします。通貨Aはユーロに対して予めXのレートが課せられており、満期になれば、あなたは元金と利子を通貨Aで受け取ります。通貨Aは予め設定されていたレートXでユーロに変換することができます。
この例における「通貨A」を「新ドラクマ」に置き換えると、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)の素晴らしい先駆となることがわかるかと思います。

前FRB総裁であるアラン・グリーンスパン氏はギリシャがユーロ圏を離脱するのは時間の問題であるとしています。
曰く「ギリシャがユーロにとどまることがギリシャのためにも、他のユーロ圏のためにもなるとは全く思えない」
2011年、2012年の段階でも起こり得たはずですが、状況は現在でも変わっていません。
政治的なプライドが多くの現実的な進捗を阻害しており、Grexitが不明瞭であるがために物事が停滞し双方とも苦境から脱却できていないのが現状です。
またパディー・パワー社は「ギリシャがユーロ以外の国家通貨を2017年までに採用する」見込みを引き上げています。

ウクライナについてメルケル首相とオバマ大統領の会談

一方アンジェラ・メルケル氏は今日ワシントンに飛び、最新のウクライナ情勢についてオバマ大統領を自陣営に引き入れようと話し合いを持つ予定です。
詳細は未定ですが、メルケル氏は水曜日までにアメリカを立ちフランス、ロシア、そしてもちろんウクライナとの交渉のテーブルに戻らなくてはなりません。
先週ウクライナの中央銀行は金利を5%に引き上げ、今までドルに対して保とうとしていたペッグを放棄したため瞬間的に50%の価格崩壊がおこり、通貨危機に直面しました。

中国数値不調のため豪ドル下落

中国のオーストラリアからの輸入が35%も減少した旨が発表された後、豪ドルもまた打撃を蒙りました。
この事実は2つの問題を孕んでいます。ひとつはオーストラリアは今まで中国貿易に頼りすぎており、多様性を掲げた政策さえもはや手遅れかつ不足に過ぎました。
もうひとつの問題は中国の輸入は2009年以来最低レベルにまで達していることで、これは地球規模でよろしくない事実です。
全世界の輸入量は先月に比べて20%近く落ち込み、これはどの指標からしても大きな下落でありかつ中国春節祭(旧正月)の変則性を差し引いたとしても世界経済の心配の種となっています。
中国は経済成長の失速に最新の注意を払い、これをなんとかしようと巨額なインフラ投資や市場へのアクセス、金融政策の改善等に務めていますが、アナリストはパニックを引き起こす前に2月と3月の数字を慎重に見積もってはいるものの、こうした努力が十分であったとは考えにくいようです。

今週のトピック

今週の注目点を見てみましょう。NYを始めトライステートエリアでは吹雪が、データ面ではヨーロッパのGDP発表があります。
イギリスやアメリカに比べてヨーロッパの経済情勢は芳しくないと想像されますが、幸い第4四半期が最終的に上昇をもたらす希望があります。特に穏やかな天候のため建設プロジェクトを一年のうち通常よりも長期間遂行することができました。
イギリスでは特に金融政策委員会で超低金利への恐れからか以前7-2であった金利据え置きの票が9-0に戻ったため、木曜日の四半期インフレ発表が注目されます。
金曜日はヨーロッパのGDPと共にアメリカ賃金関連データが公表されます。