再下落した石油価格とユーロドルの関係

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再下落した石油価格とユーロドルの関係

ユーロドルは相変わらず凪いで、カニ歩きのような動きを続けています。
ただし昨日も言いましたがこれは嵐の前の静けさです。

更なる下降はあるのでしょうか?

今日再び下落した原油価格を見て、一部のアナリストはそう信じているようです。
また他の要因として考えられるのは今日一日かけてブリュッセルで開かれるユーログループ会合の結果でしょう。
ユーログループ会長、ユーロ圏地域の財務相、経済金融関連の長官、そしてECBの総裁といったユーロ圏の重要人物が須らく出席することになっています。
ロンドン時間と同時に開幕した会議では既にユーロの補助金メカニズムや政府金融など、様々な金融問題を取り扱っています。
会議は記者会見を以って閉会しますが、通常出席者らは1日を通して随時記者と言葉を交わし、全議題を包括した公式発表は最終的に閉会後発表されます。

ユーログループは19のユーロ参加国の経済政策を取り扱っており、彼らのイニシアティブや決定はユーロ圏経済に幅広い影響を与えるため、投資家たちはこれを今か今かと待ちかねています。

石油に話を戻すと、石油価格情報サービスのチーフアナリストであるTom Kloza氏は、石油価格はWTI契約の一部が失効すると同時期の2015年の第2四半期中には底を打つだろうと予測しています。
この際一時WTIの原油価格は30ドル代にまで下がる可能性もあると警告しています。
Invest Divaの聡明な読者の皆さんは既に知っていると思いますが、石油価格はUSドルと逆相関の関係にあります。
つまり、この警告は同時に米ドルがFXチャート上で高騰するという意味でもあるのです。

現在アメリカには1日に15バレル以下の原油しか発掘できない油井が約500,000あります。
Kloza氏は「少量でもいつかは貯蔵タンクはいっぱいになるでしょう。そして貯蔵する以外に方法はありません。貯蔵する場所があるから。それだけのシンプルな理由で、追加の原油がアメリカにやってくるのです。」と述べます。

これはさらに別の政治的要因からも説明することができます。
ロシアとプーチン大統領は石油価格が回復することを願っており、そしてアメリカはロシアの願いを叶えたくないと考えているのです。

とどのつまり、EUR/USDは更なる下落に向かっていると言えるわけですが、もしも仮にユーログループがスーパー驚異的な解決策をユーロ圏に提示できれば、チャート上で上昇したいユーロと下落させたい米ドルの力が拮抗するがために更なる究極の横ばい状態の継続もありえます。

今日は日本は建国記念日で祝日です。日本円がお休みモードのため、石油価格の下落は直接的にドル円ペアを押し上げる結果となっています。

明日はオーストラリアの雇用レポート、BOEのインフレ率レポートとアメリカの小売売上高、失業率発表と、アジア時間、ロンドン時間、そしてニューヨーク時間の1日を通じて興味深い発表が続きます。

Invest responsibly. 責任感をもって取引してくださいね。