ユーロ圏は本当に回復しつつあるのか

ユーロ圏は本当に回復しつつあるのか

ハワイからまだ肌寒いニューヨークに戻ってきました。
変わらず取引の中心地であり続けるこの街に不在の間に起きた通貨ペアの動きを確認すると、なんとEUR/USDペアがターゲットに到達しており、ピップを稼ぐことができていました。
ここ数日、ユーロはいくらか回復が見られ、逆にUSドルは下落気味でした。
果たしてユーロ圏は本当の本当に、回復に向かいつつあるのでしょうか?

EUR/USDはターゲットであった1.0450に到達し、現在は23%フィボナッチレベルに向かってリバウンドしています。
この1.1263のレベルが、ペアが1.09のピボットレベルを上抜けした場合の新たな強気ターゲットとなるでしょう。
MACD線が移動平均線を上抜けしており、このままペアが一目の雲を無事に上抜けできれば、1.1778の38%フィボナッチレベルに向かって更なる上昇が見込まれます。

私たちのテクニカル分析はスーパーマリオで知られる欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁によっても裏付けされています。
最近の総裁発言はかなり楽観的なものであり、ユーロ圏の中心となる経済圏は予想値を上回る新規雇用を達成し、ユーロ圏の消費者も投資家もスーパーマリオの陽気な掛け声に同意しているようです。
こうした見立てはしかし、最新のPMI指標から得られる玉石混交の図からは若干矛盾しています。

ほとんどの経済圏で消費価格レベルは石油価格の大暴落から未だ回復していませんが、ユーロ圏はなんとか2月の総合・コアCPI値よりは好調な数字を出しました。
総合インフレ率は年率にして0.3%の下落となり、予想されていた0.5%の下落や先月の0.6%の暴落よりは幾分良好でした。
一方でコアインフレ率は予想されていた前年比0.7%の上昇よりも高いものとなりました。

これらのレポートからは、家賃や外食関連の価格レベルは上昇する一方、エネルギーや交通関連のコストが一般的に低くなっていることが見受けられます。
ドラギ総裁によると、現在進行中のECBによる量的緩和プログラムとユーロ不況が、ユーロ圏のインフレ率の下落を防いでいるようです。
しかしながら先行インフレ指標であるPPIからはCPIのさらなる下落が見込まれています。

ユーロの下落があなたに与える影響の数々

通貨の変動はほぼ全世界に影響します。ショッピングや旅行が好きな皆さんには特に。
他国へ製品を輸出入している大企業などには更に大きく影響がでます。
ユーロ下落は米企業が自社製品の海外販売を妨げ、海外市場からのリターンを減速させます。

更に米企業が海外でビジネスをするにも問題となってきます。
通貨リスクマネジメントコンサルタント会社であるFiREappsは米国の企業はこの第4四半期中、通貨変動のために総額286.6億ドルも失ったと推計しています。

ユーロはこのまま上昇を続けるでしょうか、それとも一時的な調整にとどまるのでしょうか?
皆さんの意見を聞かせてください。