ギリシャの懇願

ギリシャの懇願

昨日ギリシャの4大銀行のうち3行が緊急流動性補助(ELA)のためにギリシャ中央銀行に頭を下げました。
ELAの利用はECBの承認が必要であり、2週間の限定期限つきで1月21日に承認されています。
これら3行は20億ユーロ相当を借り入れたようですが、依然この3行が実際どの銀行なのかはわかっていません。
しかしおおよその予想はついており、そもそも75%の確率で確かなわけで、預金者は既に預金引き出しを始めています。

ギリシャでの選挙前の流動性悪化の折にギリシャ中央銀行はこの状況を予測していました。
ECBから直接借り入れるよりELAから借り入れるほうがよほど高いにも関わらず、海外銀行が銀行間レポ取引が閉じられればギリシャが頼れる相手はほとんどありません。

この緊急の融資は各国中央銀行の責任であるものの、ECBの議会において大多数が反対すれば拒否されることもありえます。既にいくつかのドイツ銀行は不安を示すために沈黙を守っています。
2週間の期間が全く省みられない可能性が高いため、ギリシャ政府は未だに破産プログラムについてユーロ圏との交渉が続いています。

ドイツ中央銀行はELAの抜け穴についての懸念を指摘しています。
ELAは政府の予算ニーズを満たすために財務省発行の短期証券の買入に当てることができますが、銀行はその短期債を更なる中央銀行の流動性確保の担保として用いることができます。銀行セクターにはそのような短期負債が最高約150億ユーロほど許されますが、ギリシャはEUにこの負債許容額をさらに100億ユーロ分増やして欲しいと打診しており、昨夜遅くにこの追加額が認可されました。
ドイツ中央銀行はELAの資金をギリシャ銀行の援助プログラムに使うことに振り向けて欲しいと願っています。
確かに最近の動きが私の理解している通りであるならば、私だったらギリシャの4大銀行いずれにも預金したいとは思えません。

どちらつかずのキウイ

赤道を超えてニュージーランドに目を向けてみると、NZ準備銀行のウィーラー総裁は金利をしばらくの間はこのまま据え置くと発表しました。
NZ準備銀行はもし干ばつが経済を襲った時、または海外情勢が悪化した時は金利引き下げに踏み切るつもりだが、現在のところは現状維持で問題ないとしています。
ただし住宅価格インフレーションが制御のきかないレベルにまで達しつつあり、「根拠も持続性もない」NZドル高など問題は山積しており、回復までの道のりは険しいと言えます。

一方雇用率は2014年最後の第4四半期で1.2%の増加を見せ、0.8%の増加見込みから大幅に改善しました。
更に第3四半期の雇用率も0.8%の増加から0.9%の増加へ上方修正されました。

雇用関連データは6つの指標発表中5つが予想よりも好調で、雇用に関しては良い傾向が見られます。
これらの事実からNZドルは上昇とも下降とも言い切れませんが、現在のところNZD/USDは上昇傾向です。

その他世界では・・・

中国と日本は昨日PMIデータを発表し、双方とも50を上まったものの期待はずれだと広くささやかれています。
中国の数値は6ヶ月らいの低値で、減速気味の経済を活気づけるための更なる刺激策が期待されています。
「製造業セクターの縮小が続いていることを考慮すると、成長をサポートするためにも更なる金融緩和策が今後数ヶ月で必要であるだろう」と中国は述べています。
日本円がFXチャート上で横ばい状態であるのもうなずけます。

今日のニューヨーク時間中はカナダとアメリカのPMIデータが発表されます。USD/CADの取引には絶好のチャンスです。
責任をもって投資してくださいね。